「MySQL徹底入門 第4版」が 7/6 に発売される。🎉
電子書籍は翔泳社の直販がDRMフリー(たぶん)だからオススメ。
著者用見本誌も届いたので、さすがにこれからやっぱり発売できませんでした!ってことにはならないと思う。
長かった。 本当は去年出る予定だったんだが、なんやかんやで今年になった(よくある)。
第3版が出たのが 2011年だから、実に9年ぶり!
偶然にも第3版と同じ 544ページなんだけど、1ページ辺りの文字数は増えているので情報密度は増しているはず(そしてその分価格も上がってる)。
(ただしくは552ページらしい。)
「MySQL徹底入門」は第n版が出るたびに、毎回ほとんどを書き下ろしてるし、複数人で書いてるんだけど、書いてる人も入れ替わるし担当する章も変わる面白い本。
自分は、今回は第5章「ユーザー管理」、第10章「データベースプログラミング」のRubyの節、第11章「文字コードと日本語環境」、第14章「逆引きMySQL辞典」のうちの2項目を書いた。 全部で544ページあるうちの、52ページ分。あれ? 1/10 にも満たないのか…。結構書いたような気がしたんだけど。というかみんな書きすぎなんだよ!
前の版からそうなんだけど、「MySQL徹底入門」は MySQL の入門書であって、SQL や RDB の入門書ではないということに注意。
一般的な SQL の話はほとんどないかわりに、MySQL固有の情報はふんだんに書かれている
また、今回は「MySQL 8.0 対応」という副題がついている。これを見て「MySQL 8.0 の新機能についても触れられてるんだなー」とか思っちゃいけない。 この本の中では、MySQL 8.0 よりも前のバージョンのことはほとんど考慮されていない。この本は MySQL 5.6 や 5.7 を使ってる人にはほとんど役に立たないだろう(言いすぎな気もする)。
まあでもみんな 8.0 を使ってるだろうから問題ないよね。
これを機に歴史を振り返ってみる。
初版 2001/1/1 384ページ 3200円
Amazon だと 2000/12/1 になってるな。
MySQL徹底入門―ウェブに最適な高速フリー・データベース・サーバー
- 作者:日本MySQLユーザー会
- メディア: 単行本
どっちが正しいんだろう。まあその辺で出たんだろう、きっと。
今手元に本が無いからわからないんだけど、自分は3割くらいは書いたような気がする。
2000年だからたぶん MySQL 3.23 あたりが対象と思われる。
2000年3月に「MySQLユーザ会」が発足したと思ったらわりとすぐに執筆依頼が来たという記憶がある。
詳しい経緯は忘れたけどメーリングリストで執筆者を募って「MySQLユーザ会」として執筆することになったんだと思う。
執筆者は「MySQLユーザ会」で、監修がソフトエージェンシーさんと自分だった。個人の名前として自分しか載らなかったのは良くなかったので、第2版からは全員の名前を並べるようになった。
なお、表紙が鳥なのは、MySQLユーザ会の略称である MyNA から、myna が英語で九官鳥などの鳥を表す単語だったから。
自分の名前が載った本が本屋に並んでるのを見るのは嬉しかった。
当時3歳の娘と本屋に行って本を見せて、
私「ほら、これはちちの本なんだよ」
娘「ふーん、なんで本屋に置いてあるの? 娘ちゃんの本はおうちにあるよ」
私「いや、ちちが書いた本なんだよ」
娘「へー、こんな綺麗な字が書けるんだね」
という会話をしたのも懐かしい思い出。
第2版 2006/1/23 416ページ 3480円
初版から5年後。 表紙にも書かれてるけど、MySQL 4.1 & 5.0 対応。
執筆者は、遠藤 俊裕、坂井 恵、館山 聖司、鶴長 鎮一、とみた まさひろ、班石 悦夫、松信 嘉範 (敬称略)。あいうえお順みたい。
メールによると、編集さんから 2003/6 に改訂しないかという話があったっぽい。その後のメールはロストしててよくわからない…。
MySQL 5.0 の GA版は 2005/10/19 リリースの 5.0.15 だから、基本は 4.1 で書いて、5.0 の目玉機能だけ追記したとかなのかなぁ。これも今手元に無いからわからない。
自分は1割くらいは書いたような気がする。
第3版 2011/8/25 544ページ 3480円
さらに5年後。MySQL 5.5 対応。
執筆者は、遠藤 俊裕、坂井 恵、館山 聖司、鶴長 鎮一、とみた まさひろ、班石 悦夫、松信 嘉範 (敬称略)。お、第2版とまったく同じだった。
2010/7 頃に編集さんから第3版を出さないかという話があった。
その後、章構成を変更しないで、5.5 対応だけするという方針になったっぽい。
ゆるゆると話が進んで、目次案が確定したのが 2011/2 頃。
レプリケーションの章が新たに追加されて、それを自分が書いたらしい。
Subversion とメーリングリストを使ってたっぽい。
自分は 5% くらいは書いたような気がする。 版を重ねる毎に順調に執筆割合が減ってきている。
第4版 2020/7/6 552ページ 3800円
そして9年ぶりに第4版。
執筆者は、yoku0825、坂井 恵、鶴長 鎮一、とみたまさひろ、深町 日出海、福山 裕大、班石 悦夫、山﨑 由章(敬称略)。結構変わった。
8.0 対応。これまでに 5.6 とか 5.7 とかあったから、やっぱり途中にもうひとつ出てても良かったような感じ。
最初に話が出たのが 2018/10 頃。 2018/12 にみんなで集まってキックオフ。
今なら Subversion じゃなくて Git だろうということで、GitLab を使うことに。GitHub はプライベートリポジトリは有料だったので。
メーリングリストじゃなくてチャットにしようということで、Mattermost サーバーを立てた。今思えば Slack にしておいた方が良かったかもしれない。 Slack は無料プランだと過去のログが消えてしまうと思ってたので。実は管理者権限ならログを取り出せるらしい。
原稿の形式は Markdown で。
原稿が書けたら GitLab でマージリクエストを発行して、誰かがレビューしたらマージする…みたいな運用をしてたんだけど、これはやめといた方がよかったかもしれない。 というか、途中でやめて、書いたらどんどん master に突っ込むようにした。 みんなが Git や GitLab の使い方に慣れてるわけではなかったので。
Mattermost も章ごとにチャンネルを分けた方がよかったかも。一つのチャンネルでやってたんだけど、流れが速くなると見なきゃいけないメッセージが埋もれちゃうので。 Mattermost の設定がヘボくて(私のせいだ)、日本語で過去のメッセージを検索できなかったのも何気にいたかったかも。
自分の執筆は1割くらい。少し増えた。
2019/5 原稿締切、2019/8 頃出版… というのが当初の予定だったんだけど、実際には 2020/7 になった。 まあ予定は未定。ちゃんと出たんだからヨシッ!